アイタタタタ・・・・・・・。
突然、腰が痛くなった。

いい年をして今まで腰痛や肩こりには全く縁がなかったのに。

恐れおののき、翌日は会社を休み、ひねもす一日、休養して過ごす。

部屋でゴロゴロしながらひもといた本は、松原久子(ドイツ語原著)訳田中敏の『驕れる白人と闘うための日本近代史』。

えらく挑発的なタイトルだが、著者は長らくドイツで小説・戯曲・評論などを執筆しており、現在はアメリカを拠点に、欧米各国で講演やシンポジウムなどで活躍している。

実はこの著書、報われない作品なのだ。

内容は、欧米諸国の人々が潜在的に持つ「我々こそ世界史でありアジアなどの諸民族は我々が与えた文明の恩恵を受けているのだ」という彼らの優越感をことごとく覆すもので、しかもドイツ語で、ドイツ人向きに書いてある。

そんな本が売れるわけがない。しかもドイツ語だから日本人は読まない。

なぜ採算を度外視してまでこの本を出版したか。それは欧米人の持つ実にさりげない『優越感』に対する、著者の「怒り」からだろう。

でも読んでみると、挑戦的なタイトルの割には常識的で目新しいものは特にない。

少なくとも近代史に興味がある日本人なら大体知っている内容だ。

ただ某数学者のような「日本マンセー」ではなく、学者の本だけに大変冷静に分析しているので、日本の近代史を振り返るのに良いだろう。

さて、最近の欧米人は普段はその優越感を出さない。

日本の文化に対しても、興味や関心を持っているし、フレンドリーな態度で接する。

だがこれが自分の直接の利害となると急変する。

顕著なのがスポーツだ。

スキーの複合で日本が金メダルを取ると、ごくさりげなくルールを変更する。
2000年のシドニーオリンピック・柔道での、篠原選手に対する誤審(あれはどう見ても誤審だろう)に抗議する日本選手団にとった、オリンピック委員会やフランス人たちの木で鼻をくくったような態度。

日本の持つ謙譲の美徳・和の心・謙虚さは失いたくないが、慇懃な笑顔で、さり気なく支配しようとする国の人たちに対するしたたかさも、持ち合わせないといけない。

なぞと腰をさすりながら、ベッドの中でつぶやいてもねぇ、トホホ・・・。

驕れる白人と闘うための日本近代史 (文春文庫)
驕れる白人と闘うための日本近代史 (文春文庫)