頑固爺さんクリント・イーストウッド俳優人生最後の作品と言われている『グラン・トリノ』を観た。

今までの彼の監督作品は、大てい暗く重く、後味が悪いのが常なのだが、今回は違っていた。ある意味ハッピー・エンドで、爽やかさを感じるのだ。若しくは男子の本懐というような。

さてストーリーだが、朝鮮戦争で若い兵士を多く殺したことに今でも罪悪感を持っているコワルスキーは、頑固で口の悪い爺さんだ。

妻に先立たれ、子供たちからも避けられ、1人暮らしをしている。彼の住む町は、いつの間にかアジア系移民ばかりが住み着つようになり、それも気に入らない。

彼の慰めは愛犬と、72年型フォード車の「グラン・トリノ」を磨く事だ。

その愛車を盗もうとした隣家のモン族の少年タオを、銃で追い払うが、やがてコワルスキーは、その少年、そして家族たちの暖かさにだんだん惹かれるようになり、やがて彼らを守るために立ち上がる・・・・。

老人と少年まずイーストウッド演じるコワルスキー爺さんだが、大変お茶目なのだ。

もちろん当人は頑固一徹だが、そのくそ真面目さが逆に笑いを誘う。

そして彼は愛国者で外国人を毛嫌いはするが、その差別は平等だ。

アジア系、イタリア系、黒人、メキシコ人、ユダヤ人、アイルランド人・・・・すべての外国人が罵倒の対象となる。

つまり彼にとって、外国人罵倒の言葉は、大阪人の「もうかりまっか」「ボチボチでんな」と同じような、あいさつ言葉なのだ。

彼の口の悪さは、愛情と照れくささの裏返しと分かると、このじいさんが愛すべき人に見えてくる。

そして彼は幸せな晩年をおくっているなと、羨ましくなる。

みゃお若い者に媚びずに頑固さを貫くことが老人の特権なのだから。

そして彼の愛車「グラン・トリノ」

日本でいえば「ケンメリ」みたいなものだろうか。

ラスト、愛する国産車の行く末を見た時、もう一度思った。

色々あったけど、なんて幸せな最期だろうと・・・・。