忌野清志郎さんが亡くなって一週間が過ぎた。

『僕の好きな先生』以来、特別ファンだった訳ではないけど、人生の節目節目にはいつも彼の歌があった、という40代50代が多いのではないだろうか。

彼は、いかにも都立高校出身らしいたたずまいで、頭は良いが秀才エリートの道には興味がなく、世の中に反発しながらも、いい意味での普通の感性があり、それが男女年齢問わず多くの人々の共感を得ていたに違いない。

人は誰でも、優しい不良少年が好きなのだ。

だから、数年前、清志郎さんが自転車に凝っていると聞いて、おや?なんか違う、と思った。

これはファンの勝手な言い草だが、出来れば彼には健康に気を使うような行動をしてほしくなかった。

いつまでも無頓着な不良少年のような清志郎さんを見たかった。

例えば、入院中、こっそり病室を抜け出し非常口で隠れて煙草を吸っていたら、「忌野さん、何してるんですが!!」と、自分の娘くらいの看護師から怒られて、しょぼんとしているような。

ところで、中島らものエッセイに、初めて忌野清志郎さんと会った時の様子が書かれてあった。

その中で、らもがふと、自分が以前ブロン中毒(咳止めシロップ、重篤な依存性がある)だったことを漏らすと、清志郎さんは、鹿のような涼しい目で、「ブロン中毒だったのですか」と笑った。

たぶん本物のドラッグ地獄をくぐり抜けて来ただろう清志郎さんに対して、「咳止めシロップ中毒」のらもは、情けなく恥ずかしかったという。

ああ、良い雰囲気のおじさんたちだな、と読みながら思った。

そんな可愛いおじさん、今は二人とも亡し。

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