先日の、佐々木譲著『笑う警官』がなかなか面白かったので、道警シリーズ2作目『警察庁から来た男』も引き続き読んでみた。

内容は、北海道警察本部に異例の、検察庁からの特別査察が入る。監察官は警察庁のキャリア、藤川警視正。

藤川は、半年前の薄野での客の転落事件がろくに捜査もせずに事故扱いされていること、また人身売買組織から逃げ出したタイ人の少女を逆に道警が、暴力団へ引き渡した疑いなどをあげ、徹底的な査察を始める。

同じころ、道警の佐伯警部補も別ルートで、薄野の転落事件を追うことになる。

キャリアとノンキャリア、立場も考え方も違う2つのチームが、時に反目し、または協力し合いながら、並行して捜査を進め、やがてクライマックスでの邂逅を迎えるのだ。

いやあ胸のすく、爽やかなラストである。

途中道警の内情を知るたびに、なんだかぁ〜という不信感を覚えたが、読後の爽快感が、まあ警察もまんざらではないな、と思わせる。

笑う警官名作とは言わないが、小気味よい佳作というべきか。

佐伯警部補はもちろん、津久井巡査部長、小島百合巡査、新米の新宮巡査など、前回馴染みのメンバーたちが、また活躍するのも嬉しい。

そして今回登場するキャリア組の藤川警視正。

最初はいけすかない男だなと思ったのだ。

スター・バックスのカフェ・ラテを頼んだのに、違うのが来たといっては、女子職員にネチネチと文句を言ったり、退職後の再就職を心配する地元警察官に、「退職後の問題って、そんなに大事な問題なのか?」って無邪気に尋ねたり・・・。

だが、最後になって分かるのだ。

ああ、この30代の警視正、実は目一杯突っ張ってたんだって。

さて、有能で優れた統率力がありながら、上から睨まれ、閑職につかされている佐伯警部補。
パソコンが苦手でアナログだが魅力的な彼は、次回、どんな活躍をするのだろうか。

警察庁から来た男 (ハルキ文庫)
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