最近、映画を劇場よりも、家庭でDVDで済ます方が多くなり、邪道だなぁと反省しきりなのだが、DVDの良い点は、途中で休憩を入れることができることだ。

特に自分のようなぼんやりした人間は、2時間近くなると、集中力が途切れてしまう。

彫物さて、『赤目四十八瀧心中未遂』という日本映画のDVDを観た。

原作は車谷長吉氏の同名小説だが、まだ彼の小説は読んだことがない。
エッセイなどを読むと、独特の自分の世界をもっている、ちょっと偏屈なオジサンという感じで期待が持てる。

さて内容は、釜ヶ崎から尼崎に流れてきた、わけありの青年生島は、ボロアパートで日がな一日、鳥の臓物をさばき串を打って暮らしている。
彼の周りは、彫り物師、やくざ、娼婦など、社会の底辺でうごめいている人ばかり。

生島はそんな彼らに驚き、戸惑い、振り回されていく。

やがて同じアパートの女性、綾(寺島しのぶ)にだんだん惹かれていくが・・・・・・。

・・・すごく面白かった!159分と長い作品だが、集中力が途切れることなく、楽しむことができた。

オフェリア暗いどろどろした世界を想像していたのだが、思ったより明るく、尼崎版やさぐれた『めぞん一刻』という趣だ。

主人公生島を演じている俳優は、当時新人だったらしいが、おどおどして、始終周りの人たちに振り回され、緊張しまくっている感じがそのまんまで良かった。

そして、他の登場人物は、みな個性的であくが強く、ディープな大阪・尼崎の雰囲気と相まって強烈だ。
特に彫り物師の内田裕也や、焼鳥屋のおかみ大楠道代、無口な店員、新井弘文などが印象に残った。

ちょっと懐かしいATG映画の匂いがあり、これを観る限り「尼崎」って、いまだに昭和なんだな、と思った(偏見)。

映像も美しく、特に赤目四十八滝のシーンは透明感があって秀逸、できれば劇場で見たかったなぁ・・・・。

そんなわけで、車谷長吉氏の作品、今度読んでみよう。

赤目四十八瀧心中未遂
赤目四十八瀧心中未遂
赤目四十八瀧心中未遂 [DVD]
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