11月27日(金)、映画『THIS IS IT』は終わった。

最終日のレイトに行ったら、いつもより大きいハコなのに客で満席。
そしてエンドロールになっても誰も席を立たず、終わった途端、一斉の拍手。
映画館で拍手なんて、大人になって初めての体験だし、第一シャイで無愛想な地元市民の気質を考えると、これは驚きだ。

まったくこの一カ月、マイケルのおかげで幸せな日々だった。

映画を観る以外にも、昔の彼の曲を聴き直して新たな発見をしたり、ダンスパフォーマンスの動画を観て、その完成度の高さに驚いたり。

デンジャラスマイケルが一番苦しかっただろう時期、まったく気にも留めていなかった薄情な私にさえ、死後、こんな素敵なプレゼントをくれるなんて。

少女趣味の感想と笑われてもいい、マイケルは天使だ。

そしてこの天使は、カッコイイ、美しいだけではない、隙のある、等身大の姿も見せてくれる。

まずダンサーのオーデションのシーンでのマイケル、老眼鏡(!)してる、まぁ50歳だからねぇ。

ヒストリーツァーそして『BEAT IT』、マイケルが対立して喧嘩している不良グループを仲裁するシーンで、ダンサーたちが喧嘩に夢中になってマイケルを忘れたため中に入れず、途方にくれている姿とか、『ブラック&ホワイト』で間奏に黒人のラッパーが出てきた時、最後一緒にポーズを取るつもりがワンテンポずれてしまったとか、他にも足が滑りそうになるのもあったし・・・・(ていうか、あら探しかよ)

だが、そのすべてが今は愛おしい。

天国のマイケルは、『THIS IS IT』が世界で愛されていることについて、喜んでいるだろうか、それとも完璧主義の彼の事、『こんなゆるい姿を世界中のお客さんに見せるなんて―。本当は、もっと上手なのに―。』と、あのか細い声で遠慮がちに抗議しているだろうか。

バッドツァー