浅田次郎の中国歴史小説、『蒼穹の昴』の続編である『中原の虹』が、待望の文庫化されたので、早速1巻と2巻を読みふけった。

魅力的な満州の馬賊の長、張作霖は国の未来を変えることが出来るのか、西太后亡き後、黄昏の清国はいかに崩壊していくのか・・・・。

続きの3巻4巻は、今月の15日に刊行されるそうで、今は身もだえしながら待っている状態である。

浅田氏のけれん味のある文章には、いつも「うーん、あざといな」と思いつつのめり込んでしまう。

そんな訳で、身を持て余している時に耳に入った、中国人初のノーベル賞のニュース。
平和賞を受賞したのは民主活動家で、現在服役中の劉暁波さん。

・・・・なんだかすっきりしない。なぜ彼を平和賞に選んだのか。

もちろん、ノーベル賞委員会側には彼を選んだ正当な理由や経緯があるのだろうが、しかし・・・・。

理由は何であれ、本国で刑に服している人間を選ぶのはいかがなものか。あんたの国は、間違っていると喧嘩を売っているようなものではないか。

中国側は当然、弾圧や対抗措置をとるだろうし、それに対してノルウェー外相の「ノーベル賞委員会は政府から独立した組織だからー」という言葉もなんだかしらじらしい。

私自身は中国政府は大嫌いだが、今回のやり方は『ノーベル平和賞』という、いわば錦の御旗で、西欧の価値観を押し付けているようで不愉快なのだ。

確かに「民主化」とは耳触りの良い言葉だ。

だが、人口500万も満たないノルウェーと14億の中国を同じ土俵で考えるのはおかしい。

オバマ大統領らはこれを機会に、劉氏の釈放を、と言っているようだが、それは僭越というものだろう。

そんな訳で、何だかイラっとしている時に、今度は日本の受賞者の発言。

ノーベル化学賞に輝いた鈴木章北海道大名誉教授(80)は8日、産経新聞の取材に応じ、「日本の科学技術力は非常にレベルが高く、今後も維持していかねばならない」と強調した。昨年11月に政府の事業仕分けで注目された蓮舫行政刷新担当相の「2位じゃだめなんでしょうか」との発言については、「科学や技術を全く知らない人の言葉だ」とばっさり切り捨てた。(産経新聞)

ノーベル賞はかくも人を傲慢にさせるものなのか。

鈴木氏の言葉は、たぶんマスコミに誘導されて言わされたのかもしれないが、何だか、勝てば官軍というか、鬼の首を取ったような感じで、とても残念だ。

思うにノーベル賞ってそんなに凄いものなのか。

ノーベル賞に縁がなくても、立派な仕事をした人は世にたくさんいる。

たとえば、アフガニスタンで長年井戸掘りをしている中村哲氏とか。

いつか中村氏にはノーベル平和賞を取ってもらいたいなぁと思ってしまう私も、やっぱり権威主義者なのか・・・。

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