keyv『読書会』という言葉に憧れを持ったのはいつのことだったか。

たしか村上春樹のエッセイの中にあったと思う。

好きな作家の作品について、愛好者たちが集い、それぞれの思いを語り合うのだ。

よく公立図書館などで開かれているそれは、大学の講師や地元の著名人においで頂いて、先生の話を伺うことに終始することが多い。

やはり『読書会』の楽しみは、年齢、性別、職業に関係なく、対等に語り合うことで、それにより思いがけない発見もあるだろうし、また本による仲間の絆というのは意外と強かったりするものだ。

今、ネット上で、『読書会』がよく行われているようだが、私としては生身の人の声を聴きたいし、聴いてほしい。

photo_interviewさて、アメリカ映画、『ジェイン・オースティンの読書会』というDVDを観た。

これはアメリカの地方都市に住む5人の女と1人の男、それぞれ問題を抱えた彼らが、月に一度、英国作家、ジェイン・オースティンの読書会を開くという話だ。

夫に離婚を切り出され苦しむ妻、人の恋のキューピットばかりで自分の恋はさっぱりの女、無教養な夫と母にウンザリしている高校教師などなど、彼らの悩みは複雑だ。

オースティンの六つの長編小説にちなみ、毎月一冊ずつ持ち回りで会を開くのだが、彼らの実生活と小説の内容がリンクしているのが面白い。小説好きにはたまらないだろう。

オースティンの小説は、恋愛、結婚、家族といった身近で、そして普遍的なものがテーマになっている。

だから今の時代にも、切実に胸にせまるものがあるのだ。

さて映画のほうは、ラスト、大団円でハッピーエンド、いかにもアメリカンな感じで笑ってしまった。

本を読むのは楽しい。1人で読むのも良いが、たまには仲間と思いを分かち合うのも、読書の醍醐味かもしれない。

ジェイン・オースティンの読書会 コレクターズ・エディション [DVD]
ジェイン・オースティンの読書会 コレクターズ・エディション [DVD]
クチコミを見る