今年のアカデミー授賞式は、昨年のようなハプニングもなく、終始、滞りなく、そつなく終わったという感じだ。

昨年は、トランプ大統領が就任したばかりで、授賞式では、こぞって、MCやスピーチで、トランプ批判を繰り広げていた。

だが最後の作品賞の発表で、作品名を間違えるという前代未聞のミスを犯し、その後、大統領にツイッターで「俺の悪口ばかり言うからそんなミスをするんだ」みたいなことを言われ、カッコ悪い仕儀となった。

トランプさんは、TVの前で手を叩いて喜んだことだろう。

そんな彼の分かりやすさは嫌いではない。

さて、今年の作品賞を受賞した『シェイプ・オブ・ウォーター』を観た。

異形なものを愛する物語といえば、映画「スプラッシュ」の人魚とか、「美女と野獣」などがあるが、そういうものとはちょっと違う。

というか、この映画、まんま「アメリ」なのだ。

中年のアメリが半魚人に恋して、それに周りが振り回されるという物語だ。

不思議ちゃん(中年だが)の行動は常に常識外れで、時には多大な迷惑をかける。

特にその迷惑を被ったのが、軍人上がりの警備担当者。

差別主義者で横暴で口の悪い男なのだが、家庭では良きパパだったりする。

1962年当時は、こういう男が沢山いたのだろうな。

そんなわけで、重要秘密任務の職場に、そこいらの掃除のおばちゃんを入れちゃダメですよ。

シェイプオブウォーター