ある活字中毒者の日記

       神は細部に宿る

中華映画

天才は時代を超える

最近立て続けに、台湾映画を2本見た。
海角7号』と『言えない秘密』だ。

ちなみに『海角7号』、邦題は、『海角7号 君想う、 国境の南』だが、なんとも長いタイトルをつけたものだ。これじゃまるで大時代的なメロドラマのようだ。

海各7号この『海角7号』、台湾では「タイタニック」に次いで、歴代2位の興行収入だそうだが、私が見た限りでは、時々面白いなと思いながらも特に感銘は受けなかった。

たぶん、歴史的・社会的に、台湾人の琴線に強く響くものがあったのだろうが、日本人の私にはそれを見抜く感受性がなかったらしい。

さて、『言えない秘密』の方だが、その画像の美しさ、音楽の繊細さ、完成度の高さに、最初から最後まですっかり魅入ってしまった。

ienaiこの作品で監督、脚本、主演、そして音楽を担当するのが、ジェイ・チョウ(周杰倫)だ。

台湾のトップアーティスト、歌手、作曲はもちろん、最近は『頭文字D』や『王妃の紋章』など俳優としても稀有な才能を見せるジェイだが、天は彼に三物も四物も与えたらしい。

さて、物語だが、赤レンガ造りの校舎、制服に身を包んだ高校生たち、古びた音楽室とピアノ、自転車の二人乗り。

生徒たちは笑いさざめきながら登校し、授業を受け、ピアノの練習に精を出し、ラグビーで汗を流す。そして、その中ではぐくまれる、高校生同士のラブストーリー。

ジェイ・チョウ演じるシャンルンは、天才的なピアノの腕を持つ高校生だ。彼はふとしたことで同じ高校の美少女シャオユーと出会う。

秘密古いピアノを二人で弾いたり、放課後、二人乗りの自転車で海沿いの街を走ったり、好きな音楽を聴いたり・・・・・。

見ようによってはあまりに古風で、今時こんな高校生いるかと笑われそうだが、若者ジェイ・チョウは、あくまでノスタルジックでピュアな世界にこだわる。

だが、その微笑ましいストーリーが、後半突然変わる。
物語は緊迫したミステリーとなり、愛らしい少女シャオユーは生々しい現実の世界に苦しみもだえる。
そして、シャンルンは彼女を救うために命がけの、ある決断をするのだった。

『言えない秘密』というタイトル通り、これ以上、詳しいストーリーは言えないが、伏線も上手にちりばめられており、最後は胸のすくラストシーンだ。
どんなに時代が変わっても、ピュアな愛は変わらない。

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兄貴の本懐

撤退ラッパ第二次世界大戦後の混乱した中国、毛沢東率いる人民解放軍と蒋介石の国民党軍の国共内戦を背景に、事実を基にした中国映画『戦場のレクイエム』を観た。

う〜ん、この邦題『戦場のレクイエム』がいまいちピンとこない。やはり原題通り『集結号』(撤退ラッパとでも言おうか)のほうが良い。

映画の主人公、人民解放軍のグー・ズーティはこのラッパのために10年近く放浪することになるのだから。

さて物語は前半が激しい内戦の様子、そして後半は、47人の部下を亡くした中隊長のグーが、部下の名誉を回復するために奔走する姿を描いている。

グー中隊長は荒っぽいところもあるが頼りがいのある、部下にとっては兄貴のような存在だ。

兄貴ィ〜情にも厚く、初めての戦場でびびっておしっこを漏らしたかどで軍法会議にかけられ房に入れられている元教師の男を、自分の隊に引き入れたりする。(それにしても当時の中国って、おしっこ漏らしたくらいで投獄するのか・・・)

戦況は厳しくなり、グー率いる部隊は最前線の旧炭鉱の死守を命じられる。

「撤退ラッパが鳴るまで、たとえ1人になっても戦い続けろ」という上官の命令に従い、グーの部隊は勇敢に戦う。

びびっていた元教師ワンも、いつの間にかたくましい兵士となり、仲間と一緒に雄々しく敵に立ち向かうが、撤退ラッパは聞こえないまま、部下47人すべて戦死する。

無名戦士の墓標一人生き残ったグーは、戦中戦後のどさくさで勇敢に戦った亡き部下たちが、失踪者扱いにされていることを知る。そして元教師ワンの未亡人から、ワンが不名誉の死に方をしたと村で噂になり、辛い思いをしていると聞き怒りに震える。

そして部下の名誉を回復させるため、たった一人の戦いが始まる・・・・。

まず圧巻だったのは戦闘シーンだ。市街戦や淮河の旧炭鉱での激戦など、『プライベート・ライアン』を彷彿させる生々しさだ。

また塹壕戦や戦車が多く出てくるなど、第一次世界大戦の西部戦線を想像させる。

映像自体がブルーのフィルターを通しているような印象で、クォリティの高さを感じた。

そしてこのグーという男。ちょっと竹中直人に似ているが、理想的な兄貴だ。

「生きて虜囚の辱めを受けず」なんてせこい小さい考えなんか持たない。

部下の名誉を守るためなら、生き恥をさらし、泥まみれになっても構わないと腹をくくっている。

また、朝鮮戦争に義勇軍として参加した時、地雷を踏んだ兵士の命を助け、のち少佐になったその男と、ワンの未亡人の仲を取り持ち、恋のキューピットになるなど、可愛いところもある。

この映画には、イデオロギーや主義主張など一切語られていない。「毛沢東」という言葉も出てこない(写真は出てくるが)

あくまでも庶民の目線による戦争映画なのだ。

そしてラスト、ラッパが鳴り渡り、グーの戦争はやっと終わるのだ・・・。

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オッサンに萌える時

ジョニー・トー監督の香港映画、『エグザイル/絆』のDVDを観た。

本当は映画館で見たかったのだが、私の住む地方では上映されず、がっかりしていたのだ。

『ザ・ミッション/非情の掟』や最近では『エレクション』など大好きだが、この作品もとても素晴らしく、楽しく、そしてある意味羨ましかった。

舞台は返還間近いマカオ。そのせいか街や室内の雰囲気が香港というよりポルトガル風で、劇中流れるマカロニウエスタンぽいメロディと相まって無国籍の感じが心地よい。

敵と味方「ウー」という男のアパートに、2人ずつ2組の男たちがやって来る。一方は彼を殺しに、そしてもう片方はその彼を守るために。

やがて激しい銃撃戦が始まる。そして室内であわや三角決闘となった時、きな臭い部屋に赤ん坊の泣き声が響いた。
そして、ウーの妻が一言「ミルクの時間よ」

その途端、今まで激しい戦いをしてきた5人は、拳銃を下に向けお互いに笑い合う。

友よそして5人協力し、いそいそとウーの部屋の荷物を運んだり、銃撃で壊れた室内の家具を修理したり、てきぱきと料理を作ったり。。。。

あげくにみんなでテーブルを囲んでの夕食、がつがつ食い、笑い合い、その後は無邪気に記念写真まで撮っている。

この5人の男たち、実は幼なじみなのだ。今は殺し屋で、お互いボスが違い、敵味方と分かれてはいるが、友情は変わらない。

だが、もちろん殺し屋としてのプライドもあり、「俺は必ずおまえを殺す」と宣言する友達に、ウーは「覚悟はできているが、せめて妻子に金を残したいので一日だけ待ってくれ」

やがて男たちはウーの最後の願いを叶えるため、手っ取り早く金になる「殺し」の仕事を引き受けるのだが。。。。。。。

どこへ行くのかいやぁ萌えました。何がってこのオッサンたちに。

歳の頃なら40過ぎ、もろメタボ体型もおり、「香港ノアール」にありがちの「クールなイケメン」ではないのだが、その少年ぽさ、無邪気さに参ってしまった。

見てると、「ガキの頃、こいつがリーダーで、あいつがサブ、こっちはパシリで、このデブはいじめられっ子だったのだろうな」と想像できる。

そして彼らは話し合いなどしない。すべて暗黙の了解で決め、迷った時はコイントスを使う。

この中年の男の子たちの仲間意識って羨ましい。普段はてんでバラバラでも、いざという時は、何も言わなくとも瞬間に心が通じ合うのだから。

また彼らは、同じ仲間を嗅ぎ取る嗅覚も鋭い。

金塊強奪されている銃の上手い警備員を発見し、自然と銃で応援し、たちまち仲良くなってしまうところなど、ああ男の子だな、と思う。

彼ら、殺し屋としては甘すぎるが、心の通い合う相手と笑いながら死地に向かう姿は、清々しく、心に残るのだ。幼なじみ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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発売日:2009-05-27
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竜頭蛇尾

映画『レッドクリフPart2 未来への最終決戦』を観た。

未来への最終決戦?。なんてダサダサな日本語サブタイトル付けてんだ。原題の『赤壁2 決戦天下』の方が絶対、字面もいいのに〜。

イヤ〜な感じを胸に抱きつつスクリーンに向かったのだが、その予感は見事に当たった・・・・・。

1・・・・・全く駄目だ。駄作だ・・・・・・。

「Part1」はあんなに興奮してワクワクしながら観ていたのに。

竜頭蛇尾とはこの事をいうのか。期待が大きかっただけにショックもひどい。ああ、これならいっそのこと、少年ジャンプ10週打ち切りのような唐突な終わり方をした前作だけ観ておけば良かった・・・。

「Part1」は、「やーやー我こそは〜」の個人戦や、ハラハラする団体戦を描きつつ、登場人物の人となりをテンポ良く描いていたのだが、今回はそれが全くない。

安っぽいエピソードを詰め込み過ぎで、周瑜や孫権、曹操ら、肝心の武将たちの印象が散漫で希薄になっている。諸葛亮孔明なんてただの天気予報士だし。

そして後半、戦闘シーンが異常に長く、それも多くの無名の兵士らが、火攻めや弓矢で無残に死んでいく様を延々と見せるのにも辟易した。

たぶんジョン・ウー監督は戦争の悲惨さ、残酷さを描こうとしたのだろうが、そもそも英雄の活躍と戦争の悲惨さとは相反するものであり、結局どちらも中途半端に終わった感じだ。

戦争の虚しさ、悲惨さを表現するのに、殺されていく兵士らをだらだら描くだけではあまりに能がない。

そして戦が終わった時の周瑜のセリフ。
思わず腰がへなへな〜となってしまった。

「あれだけ人を殺しといて、それはないでしょう〜。一体何の為の戦いだったのだ〜」

そんな訳で、私の中で「Part2」はなかったこととして、

『レッドクリフPart1 俺たちの戦いは今始まったばかりだー未完』で脳内完了することにします。

金ぴか孫権

 

 

 

 

血まみれの兄弟

先月早くもDVD化された映画『レッドクリフPart1』をレンタルして自宅で観たが、さっぱり気持ちが盛り上がらない。

劇場ではあんなに興奮してワクワクしたのに、自部屋のモニターからだと妙に冷静になり、「トニーさん、お肌が荒れてるなぁ」とか「エキストラのオバサン、笑ってるよー」とか「結構むだなシーン、多いなあ」とか、ちまちました事に目が行く。

元々この作品、結構粗が目立つし、突っ込みどころも多いが、大スクリーンのジョン・ウー監督の圧倒的な映像には「そんなことどうでもいいじゃん」と思わせる魔力がある。
だが家でDVDだとその力も半減するようだ。

はーどぼいるどところで、巷に溢れる『レッドクリフPart2』のCMの凄まじさには、辟易している。

いくら前作が予想外の大ヒットになったからといって、予告と称して、ネタバレ動画や映像を流し過ぎでは。
しかも前作上映からわずか半年で、テレビ地上波放映するというのも行き過ぎというか、Part2の売上アップが見え見えで引いてしまう。

大好きな作品なのに、なんか複雑な気持ちだ。

バーンさて、ジョン・ウーが製作総指揮をとった映画『天堂口』をDVDで観た。

日本での上映はむろん、DVD化もされないだろうと諦めていたのに、これもやはり「レッドクリフ効果」か。

そして観終わった後、「ああ、劇場で見たかったな」と思う。

迫力ある映像で、それこそ「細かいことなんでどうでもいい」気持にさせる魔力健在だ。

時代は1930年代の魔界都市、上海。
横光利一の「上海」より10年ほど経っていると思われ。

束の間の逢瀬ストーリーは何ということもない、ありふれたフィルム・ノワールだ。

くすんだ映像、上海のレトロな街並み、血の匂いとピストル、無表情に殺し殺される男たち、そして謎めいた美女。

貧しい田舎から一攫千金を夢見た若者たちの栄光と挫折。

何ら目新しいものはないのに、惹きつけられる。

観終わったと、冷静になると「殺しは嫌だとか言いながらいつ練習したんだ、そもそも蘇州の田舎から出てきた男が、何であんなに銃さばきが上手いのか」とか「殺し屋の弟、いつでも兄貴を狙うチャンあったじゃん」とか、頭に湧いてくるのだが。

今は映画は当然のごとくDVD化され、それはそれで有難いことだし、製作者もそれを念頭に入れて作っていると思う。

素朴な若者だったのにだが劇場の大スクリーンで見て、興奮して笑い泣き、終わり!というのも捨てがたいものだ。

「レッドクリフ」やこの「天堂口」などはそれにふさわしい作品だと思う。

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さんざしはママの味


今、浅田次郎氏の『蒼穹の昴・全4巻』を読んでいる。今2巻目。

大変読みやすくて面白いのだが、この「読みやすい」というのがくせものだ。

この人の作品は口当たりがよく、読んでいる間は熱中するが、読み終えてしばらくすると内容を忘れている場合が多い。

例えば吉川英治版『三国志』は古文調で注釈も多く、読むのに骨が折れたが、今でも滔々とした黄河の畔に立つ劉備玄徳の姿を、生き生きと思い返すことができる。

吉川英治が重い剛速球なら、浅田次郎はスピードは速いが球質が軽いのかな、て、浅田次郎は星飛馬の大リーグボールか。

それはさて置き『蒼穹の昴』とは、中国清朝末期、貧しく糞拾いで生計を立てている10歳の少年春児と、幼馴染の兄貴分で科挙の試験を受ける青年分秀が、やがて袂を分かち、宿命によってそれぞれの覇道を歩むというスケールの大きい歴史小説だ。

しかし、瑣末なことに目が行く私は、1巻に出てくるお菓子『さんざし』が気になった。

文秀の科挙の試験に付き添って北京に来た春児は、胡同で、ある少年と知り合いになる。彼は身売りされて来たらしく、やがて宦官にされる運命である。

春児は口に頬ばったさんざしの糖胡蘆(タンフル)を少年にも舐めさせ、やがて口移しにそれを奪った。

これはもとより腐女子の喜びそうな同性愛的シーンではなく、甘いものが貴重だった時代、単純においしい飴を友達にも食べさせただけの話なのだが、「さんざし」と聞いて思い出すのは、映画『さらばわが愛 覇王別姫』である。

覇王別姫京劇の女形スター、程蝶衣の少年時代。京劇養成所での、あまりに厳しすぎる稽古が嫌になり、友達と一緒に脱走する。

その友達は常日頃、「将来有名になったら毎日砂糖づけのサンザシを食べるんだ」と公言していた。

2人は念願のサンザシを食べ、街でやっていた京劇の舞台に感動して涙をポロポロ流し、

「サンザシもたっぷり食ったしもう思い残すことはない。養成所に戻ろう」

屋台のさんざしと決心したのだが、その後、友達は口一杯にサンザシをほおばったまま自殺する。

映画の字幕では「砂糖づけのサンザシ」と表記されていたが、それだとザボンの砂糖漬(九州名物)みたいだ。

映像で見る限り艶々とした飴玉で、竹串に刺して屋台で売られている。どちらかというとりんご飴みたいな感じ?

調べてみたら、バラ科サンザシ属の植物で、その果実に飴をかけたものらしい。

蜜でコーティング清朝末期の貧しい少年でも買えるのだから高級ではないが、甘味に飢えていた彼らにしたら、最高のお菓子だ。

『蒼穹の昴』も『さらばわが愛 覇王別姫』も、どちらの少年らもその後、過酷な運命が待っていた。

さんざしの甘味は、ほんのひと時の至福の瞬間だったのだろう。

市販のもの、なんかちがう


蒼穹の昴(1) (講談社文庫)

 

 

 

 

 

 

おかしゅうてやがて哀しき

父と子昨年の夏上映されたのに見逃していた香港映画、『ミラクル7号』のDVDを観た。

監督で俳優のチャウ・シンチー(周星馳)の、香港における人気は絶大なようで、昨年香港の、映画興行収入は、『レッドクリフPart1』を抑え、この『ミラクル7号』がトップだそうだ。

チャウ・シンチー作品は『少林サッカー』と『カンフーハッスル』しか知らない私だが、今度もあの、「コテコテのギャグ」、「おバカキャラ」、「ハイテンション」、「ありえねーアクション」満載の世界かな、と思ったら少し様子が違っていた。

チャウ・シンチー演じるティーは、小学生の息子、ディックと2人暮らし。

街頭テレビ超びんぼーなのに父は工事現場で必死に働き、息子を名門小学校に通わせている。

仲の良い親子で、父はいつも「貧乏でも嘘を付かず、喧嘩せず、一生懸命勉強すれば人から尊敬される」と言って聞かせているが、ディックはやはり心の中に屈託を持っている。

そんなある日、運動靴を探しにきたゴミ捨て場で、不思議な青い物体を見つける。それは何とも愛らしい生物だった・・・・・。

・・・・・・・いやぁ、不覚にも泣いてしまいました。

思い切り笑うつもりが、チャウ・シンチーの映画で泣かされてしまうとは。

まず父子の凄まじいビンボーぶりが、このご時世、笑えないのだ。
無学の父が、せめて息子には、という気持ちも切実だ。

そして、ミラクル7号、ディックが「ナナちゃん」と呼んでいる地球外生物だが、その可愛らしいこと!!

異星人?実はナナちゃん、凄い能力があり、それによってこの父子は最大の危機を逃れるのだが、肝心の彼らはその善行を知らない。

それどころかディックは勝手に腹を立てて、ナナちゃんを叩き、いじめ、ゴミのように捨てたりする。

彼らが超貧乏だからって甘やかさず、醜い所もしっかり描いているのがリアルだ。

また名門小学校でディックをいじめている生徒たちだが、どうも金持ちの子には見えない。
その言動などから、きっと彼らはここ数年の高度成長で成り上がった家の子たちで、もう一度、経済恐慌が起きれば、たちまちディックと同じ立場になり下がるのでは、と想像できる。

そしてナナちゃんをきっかけに、本来の子供に立ち返ったとき、彼らのいじめも解決する。

実は女の子この物語には悪人は出てこない。

意地の悪い先生や、口の悪い現場監督が出てくるが、みな基本的には善人だ。

だが何といっても、ナナちゃん。見返りや賞賛を求めないそのけなげな姿。

そしてナナちゃんを見守る父子を、弱さも持ち合わせた生身の人間として描いたからこそ、その切ない愛情に涙するのだ。

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青いドレスの女

雀鬼?あと2週間ほどで2008年も終わる。

今年も色々な映画を見てきたが、最も心に残った作品は、『ラスト、コーション』、その次が『ダークナイト』だろうか。

どちらも、劇場で観終わった時は、そうでもなかったのに、時間が経つにつれ、じわじわと広がっていき、やがて頭の中はその映画のことで一杯になった。

特に『ラスト、コーション』は何度観ても飽きることがなく、常に新しい発見がある。

なぜこんなに、はまってしまったのか、つらつら考えてみるに、戦前の香青色1号港や上海のレトロモダンな雰囲気、その時代の空気感にすっかり取り付かれてしまったようだ。

上海の街並み、レストラン、喫茶店などのインテリア。
瀟洒な洋館の部屋の壁紙、調度品の一つ一つがシックでうっとりするが、何といってもヒロイン、ワン・チアチー(マイ夫人)の身にまとうチャイナドレスの美しさにクラクラした。

ワン・チアチーを演じたタン・ウェイは、映画の中で20着以上のチャイナドレスを着たそうだが、見た感じ、そんなにとっかえひっかえ着ていた印象はない。

それは、彼女の着るドレスが、柄は違っても、ほとんど寒色系の青で統一されているからだ。
青色2号またその上に羽織るコートや帽子も、紺か茶系である

チアチーは実は清貧な女子大生で、衣装代は、国民党の工作員が調達している(香港時代は、金持ちの学生仲間が)

若い女の子なら派手なものに手が行きそうなのに、この趣味の良さはなんだろう。
チアチーのセンスか、スパイだから目立ってはいけないという配慮か、もしくはターゲットの易先生の好みをリサーチしたのか。

またドレスの素材や仕立ての良いこと。
質の良いなめらかなシルクが肌と溶け合い、細かな手縫いで柔らかく体を包んでいる。

青色3号原作にもあったが、チアチーのドレスの立ち襟は、小さめで愛らしいし、易夫人やそのマージャン仲間である高官夫人のドレスもそれぞれ艶やかで格調高い。

しかし、それらの美しさは、南京政府の高官が住む地域に限られたものだった。
街中では貧民があふれ、道端には死体が転がっているのだから。

そんな訳で、もし生まれ変わったら、中国の高官夫人となって、毎日麻雀三昧の暮らしをしたいと、アホなことを考えている今日この頃である。

ごろにゃん

 

 


 

 

 

 

 

恭喜恭喜

本日、『レッドクリフPart機截害鵑瓩魎僂襦

「吹き替えの方が情報量が多くて状況が分かりやすい」という評判を聞き、今回初めて吹き替え版に挑戦したのだが、意外とすんなり入り込めた。

少なくとも字幕翻訳家戸田奈津子女史独特の「〜ので?」「〜かもだ」がないだけでもスッキリする。

男らしいぞまた声優さんたちの、巧みでオーバーともいえるセリフ回しも、時代劇のせいか、そんなに不自然に感じない。

ただ、「官渡で袁紹が・・」とか「蔡瑁と張允が」といった固有名詞を耳だけで拾うのは、三国志をあまり知らない人には難しいと思う。

「カントで炎症」?「細胞と調印」?みたいな。

さて、私は耳での聞き取り能力がなく、学校でも先生の言うことがなかなか理解できないことがあった。でも読むのは得意だ。

だから授業中も先生の話を聞くふりをして実は、教科書をずっと読んでいた。

一応主君ですそれでもそこそこテストでは良い点をもらっていたのだが、社会人になるとそうもいかず色々苦労したものだ。

特に今稽古をしている「茶道」は、あるレベル以上になると「口伝」といって先生のお言葉だけが頼りになる。手引書などはない。

そして稽古中はノートをとることはできないので、聞きとり能力に劣る私にはつらいが、頑張るしかない。

話が大幅に脱線したが、とにかく吹き替え版も、良かったということで。

でも劇場で観るのはこれで終わりにしよう。

名残惜しいくらいがちょうど良いのかも。そして来年4月の「Part供廚鯊圓箸Α

とにかく5週連続1位オメデトウ!

十万の矢

 

 

 

若き君主の苦悩

ジョン・ウー監督の映画、『レッドクリフPart1』を観てきた。

実はこの作品に対して、あまり期待していなかったのだ。

胡軍まず、今回はPart1であり、肝心の「赤壁の戦い」は次回だということ。

まぁ知ってるだけ良かった。
そういえば昔「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の続編を観にいった時、第3作があるとは知らず、ラストの、「To be concluded〜
に目がテンになった思い出があるなぁ・・・。

また呉軍の司令官、周瑜役のトニー・レオン、劉備玄徳の軍師、諸葛亮役の金城武らの声が吹き替えなのも気になった。

ネイティブの中国普通語(北京語)じゃない俳優(トニーは広東語、金城君は台湾語?日本語?)は吹き替えが中国では常識だが、やはり2人の声は好きだし、聞きたかった。
トニー、『「ラスト、コーション』」では普通語でしゃべっていたが、『レッドクリフ』においては、台詞を訓練する余裕がなかったんだろうな。

そしてその周瑜と諸葛亮が、この作品においては仲がよく、固い友情を結んでいるというのも違和感があった。

吉川英治版「三国志」において周瑜は、諸葛亮の才能を恐れ嫉妬し将来我が国の脅威になるのではと、何度も殺害を試みるが失敗し、最後は『ああ無念、天すでに、この周瑜を地上に生ませ給いながら、何故また、孔明を地に生じ給えるや!」と嘆きつつ36歳の若さで悶絶死してしまうのだから。

そんなわけで、今回はあまり考えずに、娯楽大作として気軽に楽しもうと思っていたのだが・・・・。

それが実は、大変面白かったんですよね!もう堪能しました。

古い言い方だが、血沸き肉踊る大活劇っていうんですかぁ〜。

さすが男が惚れる男のアクション映画を作らせたらナンバーワンのジョン・ウー監督。

超雲まず、劉備玄徳の赤子をひしと抱きしめ、おびただしい曹操軍をなぎ倒しながら劉備の元へ向かう趙雲の勇姿で、もうつかみはOK!

この趙雲役の胡軍(フー・ジュン)の何とカッコいいこと。
以前から好きな俳優だったが、こんな「漢」の似合う男だったとは。

この趙雲の活躍だけでも、十分観る価値があり。

蛇足だが、漢たちに助けられた劉備の赤子が、長じては愚鈍な男に育ち、やがて、父が苦労して築きあげた蜀の国を滅ぼしてしまうのだから諸行無常だ・・・・・。

またストーリーやアクションが、緩急取り混ぜてテンポ良く進むため、吹き替えの件もあまり気にならない。岩代太郎の音楽も心地よい。

八掛の陣など、小説では分からなかったものも見られて良かった。

そして、張震(チャン・チェン)演じる呉の君主孫権、これがまた良い味出していた。

孫権と諸葛亮名将だった父や長兄が次々に早死にし、わずか19歳で君主となったが、まだ自分に自信がなく、当然重臣たちからも舐められている。

そこへ破竹の勢いで北の曹操軍が80万の兵を連れてやってくる。

降伏か開戦か。
我が身大事の老重臣たちは、しきりに降伏をすすめている。

そこへ諸葛亮より劉備軍と同盟を組まないかとの打診。
だが2軍を足しても兵は5万。

民を背負っている君主の苦悩は深い。
そう思うと、ナンバー2の周瑜
や軍師の諸葛亮など気楽な身分に思えてくる。

孫権さまこの苦しみつつ決断をする孫権の姿が秀逸で、また絵的にも美しくセクシーだ。

そして最後の方、周瑜と諸葛亮は会話の中で、将来、敵と味方に分かれるであろうことをほのめかして終わる。

そう、今日の友は明日の敵。

歴史大作の良いところは、登場人物それぞれの人生を俯瞰して見ることが出来る事だ。

今は蜜月でも、その後過酷な運命が待っていることが分かっているだけに、この瞬間の彼らが本当にいとおしい。

この『レッドクリフPart1』、多少突っ込みどころはあるけれど(周瑜と嫁さんのラブシーン、必要ないのでは、それとも箸休め?)大満足した。

ああ早くPart2が観たい。

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レッドクリフ Part1 オリジナル・サウンドトラック

 

 

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