TV番組に蔓延する『日本スゴイ!』『日本の技術は世界いちぃぃぃぃぃぃ』の風潮が終わらない。
NHKBSの『クールジャパン』あたりからだと記憶するが、2020年のオリンピックが決定し、更に加速がついてきたようだ。
自画自賛ぶりに辟易し、そういう類の番組は、見ないようにしているのだが、うっかり遭遇した時の、居心地の悪さと来たら!
『外人さんにTVカメラ向けたら、そりゃリップサービスするって、人間だもの』
『円安だから買い物に来てるだけだしぃ』
結局、今だに日本人は欧米コンプレックスが抜けないのだ。
日本が、白人に褒められて、ヤッターって喜んでいるみたいな。
ところで、そんな日本自画自賛の中に、新幹線安全神話があった。
スピードが世界一! 時間の正確さが世界一! トイレがピカピカで世界一! 無事故世界一!
古い車両の、よく遅れるローカル線に乗りなれている身にすれば、列車カースト最上位の新幹線は、羨望の的だったのだが・・・・。
例の焼身自殺によって、新幹線の弱さが、否応もなく、露呈された。
この71歳の犯人、多くの死傷者を出し、その罪は赦されるものではないのだが、図らずも、二つの事実を私たちに残して逝った。それは、
安全神話などは無いということ。そしてもう一つは、年金、月12万円は少なすぎるということ。
ちなみに月12万円は、平均的に見ればそんなに少ない額ではない。
国民年金を満額払っても、受け取れる年金は、月6万5千円程度だ。
この犯人、若いころはギターで流しをしたりと、結構気ままな生活をしていたようだが、それで月12万の年金は、数字から見れば悪くない。
しかし、実際12万円で生活するのは大変厳しい。
都心に住めば、家賃だけで大半、国保や水道光熱費、食費を払ったら、もう残らないではないか。
サイレントマジョリティーが耐え忍んできたこの問題に、この71歳の犯人は、やり方は間違ってはいるが、声を上げたわけだ。
そんな訳で、国民年金だけで生活している方は、この事件をどう思っているのだろうか。